薬①
普段の診療で使う薬について。
今回は「フォーベット」
成分はフルニキシメグルミンで、NSAIDs・つまり非ステロイド系の抗炎症薬。
解熱・消炎・鎮痛の効果がある。
牛の臨床でどのようなときに使うか。
簡単に言うと、熱を下げたいときに使う。
例えば子牛の平熱はだいたい38.5~39.5℃。
それが呼吸が荒くて元気がなくて熱が41℃もある、と農家さんに往診依頼されるときがある。肺炎だ。
こういうときはどうするか。
熱が上がっているのは、細菌感染していてそれに対して免疫系が活発になることによる体の防衛反応だ。コレ自体は体のために良いこと。でも体はきつい。
なので、体が楽になるように熱を下げてあげる。このために使うのが「フォーベット」。もちろん血管に注射するのですぐに効く。
ただこのときに細菌がいたままだと、よくない。
なので抗生剤を併用して、細菌をたたく。
まとめると、肺炎で高熱がでたら、抗生剤と熱を下げる薬を注射する。
1日目に抗生剤と熱を下げる薬、2-3日目は抗生剤のみ打って治療終了というケースが多い。たいてい2日目に熱は下がっている。
もちろん、他の病気でも熱が出てたら使う。
ただ、腸炎のときは注意が必要。
消化管にダメージを与えてしまうので、より下痢がひどくなってしまうことも。
とくに血便には使わないほうが良い。
速効性のあるとても良い薬。
ただ、少し高い。