下痢のアンケート

・下痢が起こった日齢

・分娩時の状況

・親牛の健康状態

・初乳の状態

・ハッチの位置

・ワクチン投与の有無

・ストレス(寒冷、暑熱、過密)

・消毒、個別飼育、敷き藁

 

 

どれくらいの日齢でいつから始まった?

便の性状(水?ねっとり?色?におい?)?

熱は?

他の子牛は?

いつもと違うミルクの種類?(代用乳の種類、濃度、温度、生乳に変えたなど)

廃棄乳を与えていないか?

哺乳器具や施設の衛生面は?

初乳は適切に与えてるか?

与えている水の温度、量、清潔か?

飼養施設の気温・湿度・通気性や隙間風の有無?

下痢ワクチンの有無

・下痢五種→ロタ、コロナ、病原性大腸菌

・イモコリボブ→病原性大腸菌

 

 

【原因】

環境要因、宿主要因、病原体要因の3つが複合的に関わって発症

分娩管理、初乳給与、施設、給餌技術、栄養管理、ワクチン接種、の乾乳牛の飼養管理が大事

 

初乳の移行抗体は熱に弱いため、凍結初乳を使う場合は面倒でもぬるま湯で溶かして適切な温度で給与する。初乳は移行抗体の付与に加え、腸管粘膜保護作用があるため、生後3日は投与するのが良い。

 

<下痢止め薬(3タイプ)>

・収斂薬

→胃腸の粘膜を被覆・保護し、炎症を抑えたり病原体をくっつかないようにする作用(タンパク凝固作用)がある。ミルクや生菌剤と混ぜないほうが良い。

ケイ酸アルミニウム、次硝酸ビスマス、タンニン酸アルブミン

 

・吸着薬

→有害物質(悪い細菌やその毒素、毒物、ガスなどにくっついて、胃腸粘膜と接触しないようにするもの。作用は不確実。ケイ酸アルミニウムはテトラサイクリン系、ニューキノロン系の作用を弱めるため、併用は避ける。

ケイ酸アルミニウム、活性炭、薬用炭

 

・殺菌薬

→消化管内の悪玉菌を殺す。半面、善玉菌にも作用するので、生菌剤との併用は避ける。

アクリノール、クレオソート、タンニン酸アルブミン

 

<整腸生菌剤>

宮入菌、乳酸菌、酪酸菌など。

腸内細菌のバランスが崩れた場合に使用するため、下痢・便秘の両方に効く。下痢初期、経口抗生剤投与後の腸内環境改善に効果的。下痢止め薬、抗生剤との飲み合わせを避け、30分以上間隔をあけて投与。

 

断乳

傷ついた消化管を休ませるための下痢対策。

1日断乳して経口電解質の投与が有効。

 

<廃棄乳(乳房円乳、血乳)>

血乳の血液成分が腸内細菌の過剰な栄養源になってしまうため、異常増殖が起こる。

 

 

 

<非感染性>

・消化不良性

→食餌性

→脂肪性

→腐敗性

→発酵性

・胃(潰瘍)性下痢

・神経性下痢

 

 

 

<感染性>

・細菌性(腸管毒素性大腸菌、1-3日齢、低熱、甚急性経過、5-25%

    (大腸菌、2週齢以内、微熱、混合感染

    (サルモネラ、4週齢以内、高熱、成牛でも発症・届出・血便、菌型により75%以上

・ウイルス性(コロナ、1週齢程度、微熱、成牛でも発症・冬多発、高死率

      (ロタ、2週齢以内、微熱、混合感染、5-60%

・原虫性(クリプトスポリジウム、2週齢以内、低熱、混合感染、低死率、下痢1週間以上持続

    (コクシジウム、3週齢以降、微熱、粘血便、低死率

 

 

 

 

《下痢発生!!!!》

哺乳欲あれば断乳し、経口補液で水分と電解質を補い脱水予防。

脱水重度で元気消失・四肢冷感・皮温冷感、起立不能なら静脈投与による補液が必要。

 

生後7日程度で移行抗体が半分ほどに減っている。

 

 

 

 

 

・下痢が起こった日齢

・下痢の性状(ドロドロ、水)

・熱

・色(黄色、緑、白、赤)

・哺乳欲(+、弱、-)

・親(健康、低Ca、ケトーシス、産褥熱、その他)

・親にワクチン打ってるか(打ってる、打ってない)

・難産だった(そう、違う)