第1胃③
第一胃は容量にて150-200L、内容物量にして100kg以上となるバカでかいものだ。
体重が600kgなのでその数分の1を占めるということになる。
牛のお腹の左半分の多くは第一胃に占められているといっても過言ではない。
第一胃は下部に「液状層」が、上部に「ガス層」があり、その間に「ルーメンマット」というものがある。
この中に細菌、真菌、プロトゾアなどの微生物が牛と共存している。
これらは草の繊維などを食べて分解し、結果として牛が利用できるエネルギーに変換してくれている。このエネルギーは揮発性脂肪酸(VFA)と呼ばれ、酢酸、プロピオン酸、酪酸の3つからなる。
牛はこれらVFA(これがエネルギーの50-70%)と、ルーメン非分解性タンパク質、そして微生物(実は草を分解してくれるだけでなく、微生物自体も牛の重要な餌になっている)を利用して牛は生きている。