2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ケトーシス①

ケトーシスという病気がある。 これは、ケトン体というものが体にたまりすぎてしまった状態のこと。 もっというとエネルギー不足の状態である。 ちなみに、エネルギーとしては、「グルコース(糖)」「脂肪酸」「ケトン体」の3つがある。 多いのは、親牛が…

乳房炎⑤

乳房炎の分類 大きく伝染性(人の手などを介して感染)か、環境性(牛舎の敷き藁など牛舎環境により感染)に分かれる。 【伝染性】 ・黄色ブドウ球菌(SA) ・マイコプラズマ ・無乳性レンサ球菌(Streptococcus agalactiae) ・コリネバクテリウム ボビス …

乳房炎④

乳房炎を起こす主な微生物について。 まずはやっかいなもの3つ 【CO(大腸菌群)】 これは前に書いたように、臨床的に牛がやられる率NO1と言えるだろう。 なぜならCOショックになってしまい、瀕死の状態になったり、立てなくなったりするからだ。 牛床の敷…

繁殖⑥

続いて黄体の疾患。 【黄体遺残】 妊娠していないにもかかわらず、黄体が異常に長く存在し、その機能を発揮する状態。 これの何が問題かというと、黄体はプロジェステロンを分泌するために発情が起きないのである。発情が来なければ授精ができない。 原因は…

繁殖⑤

うまく発情が起きない病気について。 まずは卵巣の疾患。 【卵巣静止】 卵巣の大きさ自体は正常だが、発情がみられず、卵胞は発育しない、あるいはある程度までは発育するが成熟することなく閉鎖退行を繰り返している状態のこと。 排卵が起きないため、黄体…

繁殖④

発情がハッキリ現れれば授精の成功率は高くなる。 それにはまず、発情が起こるもととなる卵巣について知らないといけない。 正常であれば、卵巣は21日周期で構造物ができては消えていくようになっている。 構造部は2つ、卵胞と黄体である。 【卵胞】 まずは…

繁殖③

精子と卵子が一発で出会うために。 それは、卵子がいつ現れるかを予測することだ。 なぜなら、精子はいつでも子宮の中に注入できるが、卵子は限られた間隔に1回(牛でいうと21日に1回)しか現れないからだ。 卵子がいつ現れるか。 卵子が現れること、つまり…