繁殖④
発情がハッキリ現れれば授精の成功率は高くなる。
それにはまず、発情が起こるもととなる卵巣について知らないといけない。
正常であれば、卵巣は21日周期で構造物ができては消えていくようになっている。
構造部は2つ、卵胞と黄体である。
【卵胞】
まずは卵胞から。
卵子は一番大きく育った卵胞1個(主席卵胞)からのみ排出される。
卵胞は21日の周期内で2回ないしは3回の「卵胞ウェーブ」という卵胞群の発育が起きる。これは、2回なら排卵の当日あるいは翌日および9-11日頃、3回なら排卵の当日あるいは翌日、8-9日および15-16日頃である。
結局最後のウェーブ(2回なら9-11日頃、3回なら15-16日頃)からしか排卵する主席卵胞は生まれない。つまり、当日あるいは翌日、8-9日頃の卵胞はすべて排卵することなく退行していく。
これはなぜかというと、排卵するためには主席卵胞は成熟する必要がある。
そのために必要なのが、LHの拍動性分泌であるが、これは黄体が存在しているとプロジェステロンというホルモンが出されるため、抑制されてしまう。最後の卵胞ウェーブ時には黄体が退行しているので、プロジェステロンが出されず、LHのの拍動性分泌がおこり、主席卵胞の成熟→排卵が起こる。
【黄体】
黄体は排卵した卵胞から形成される。
まず主席卵胞から卵子が出る「排卵」が起こると、卵胞は黄体という構造物になる。黄体は妊娠したときに妊娠を維持するために大切な構造物。排卵後7日間で形成が完了する。もし妊娠すれば、これから出産までずーーーーっと機能し続ける。ただ、妊娠しなければ、形成完了後8-9日間機能的黄体として維持した後、16-18日後に急速に退行する。
そして、また主席卵胞から排卵が起これば黄体ができる。