2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

牛とは①

私が普段関わる牛はほぼメスである。 なぜか。メスはミルクを出してくれるからだ。 それに対してオスは・・・? つまりオス牛は生産性が低いのだ。 メスに生まれたら。 生涯その牧場で過ごすことができる。 満足な餌が与えられ、きっと良い生涯が得られるだ…

日々の診療⑤

私は農業共済組合に勤めている。 この組合はざっくりというと保険屋さんである。 農作物共済、家畜共済、果樹共済などのなかの家畜に関わっている。 たとえば風水害、干害、冷害、雪害、火災、などにより農作物の収穫がうまくいかない年があったとする。台風…

日々の診療④

HBSという病気がある。 日本語でいうと出血性腸症候群という。 親牛でタール便(赤黒い粘性便)出して立てなくなったりする。 昨日そのような病気にあたった。 分娩は全く関係なく急に立てなくなった、便があまりでてない、乳が出ない、体が冷たい、眼球が陥…

日々の診療③

皮膚がものすごくふくらんでいる時がある。 ボールがくっついているような。 今日は右の太ももあたりだ大きく膨らんでいた。 20cm位のやや楕円形の膨らみ。 こんなときはまず触る。 そして針を刺してシリンジで吸引してみる。 今回は膿汁が取れた。 たくさん…

日々の診療②

いきなり立てなくなった牛を診療した。 牛が立てないとき。 いろいろな原因があるが、大きく3つに分けられる。 ①低Caによるもの 分娩前後の経産牛に起こりやすい。 産次が増えれば増えるほど起こりやすい。 平均8.5-10程のCaが6とか、ひどいと3を切ることも…

日々の診療①

昨日子牛がぐったりとしていた。 体温は36℃程。 子牛は39℃位が平均なので、かなり低い。 口の中も冷たいし、眼球も陥没している。 BUNが90程。下痢による脱水だ。 さらにpHが6.9程。下痢によるアシドーシスだ。 子牛で元気ないときはアシドーシスが多い。 こ…