牛とは①

私が普段関わる牛はほぼメスである。

 

なぜか。メスはミルクを出してくれるからだ。

それに対してオスは・・・?

つまりオス牛は生産性が低いのだ。

 

メスに生まれたら。

生涯その牧場で過ごすことができる。

満足な餌が与えられ、きっと良い生涯が得られるだろう。

 

オスに生まれたら。

一般的には生まれて数日後にその牧場を離れることになる。

農家さんの収入の大部分はミルクによる。

農家さんにとって、ミルクを出さないオス牛は必要ない。そのため、生まれてすぐ肥育屋さん(オス牛を大きく育てて肉として出荷する方)に売られてしまうのだ。

オスはミルクを出さないのでお肉としての価値しかないのだ。

満足な餌は与えられるだろうが、10数カ月後にお肉になる運命となる。

生まれた時点で寿命はほぼほぼ決まってしまっている。

 

オスに生まれるかメスに生まれるか、牛にとっては大事な問題。

もちろん農家さんにとっても。

難産でお産に立ち会うときも、生まれた性別によって農家さんのテンションが変わる。メスだと喜ばれるし、オスだとオスかぁ・・ってなってしまう。

 

牛に生まれ変わるならメスに生まれたいな。