乳房炎②
乳房炎。
原因は色々あるけど、やっかいなのは大腸菌によるもの。
なぜかというと大腸菌のショックにより致死率・予後不良率が他と比べてとても高いからです。
よくあるのは、乳房炎になったので乳房炎軟膏(抗生剤)を注入したら、しばらくなって立てなくなってしまったという稟告。
これ、何が起きたというと、抗生剤が大腸菌を破壊したときに出てくるLPSという毒素が体全体を巡ってしまいショックを起こしてしまったのだ。
このときに大事なのは、この菌を早く外に出してしまうこと。
そのために点滴するのが高張食塩水です。
水を体に維持するためには水だけ飲んでもだめ。Naが必要となります。
脱水しているときに水を飲んだら余計脱水するという話を聞いたことはないですか?
すごく暑い日は、テレビでも水分と塩分を取りましょうと言っています。
体の水分は浸透圧という物によって調整されているが、このときに必要なのがNa。
Naがあれば水を留めることができるし、なければ外にでていってしまう。
水とNaは正常であればお互いにバランス取れているように調整されています。
とても大事なミネラル。
高張食塩水を体に入れると血中Na濃度が一気に上るので、バランスを取るために体が水を欲しがる。人間でも塩辛いもの食べたら水を飲みたくなるでしょう?
牛はたくさん水を飲んでくれます。これによりたくさん尿もしてくれます。
これにより体の中を巡っている毒素を外に出すことができます。
補液は高張食塩水だが、これに併用する薬については次回に。