日々の診療⑥
調子が悪い牛がいるとき。
獣医は治療する。
治療して良くなる牛もいれば、餌を食べない、乳量が上がってこない牛もいる。
そのときどうするか。
さらにながーく治療する場合、とりあえず1回治療をやめて様子をみるなどもあるが、肉として出荷するという場合もある。今回はその肉の話。
乳量が増えなければ乳牛としての価値はない。
なので食肉用に出されることもある。
その場合、薬の出荷制限の問題が出てくる。
抗生剤などの薬を牛に注射すると、当然ながら体の中にその薬剤が入ってしまう。
そのため、乳にも肉にも薬物が入ってしまう。
もちろんそれが人間の中にはいるのはだめなので、それらの薬がなくなるとされる日数は乳も肉も出荷できなくなる。
たとえばうちの診療所にあるペニシリンを使ったとする。
すると、それから乳なら96時間、肉なら14日出荷できなくなる。
そのため、日々の診療では牛の状態と天秤にかけて農家さんと相談して薬を決める。
続きは次回。