乳熱①

乳熱とは分娩前後に起こる低Ca血症のことである。

これはよく起こる。経産牛の分娩後なら取り合えずCa打っとこうかなと思うレベル。

 

初産で起こるのは0.2%程でほぼないし私は初産牛にCa打ったことがない。経産で多く、特に6産以降なら約10%とされているが、2‐3産目でもしょっちゅう起こる。

分娩前が約22%、分娩1日目が約61%。2日目で15%、3日目で約3%。

 

自分の感覚では、分娩当日~翌日までが多い。ややふらつきながら立っているものから、立てずに伏せの体位のもの、ひどいと横倒しの状態となる。3産以上でよくなる感覚。現場ではこの数字よりも多いイメージだが、牛の症状があまりなくても予防的にCa打ってくれと言われることがおおいからか。農家さんによっては分娩後経産牛全頭にCaを投与する。

 

牛の正常Ca値はだいたい8-10㎎/dl。

軽めの低Caだと7くらい、かなりひどいと3くらいにになる。これはほぼ横倒し。

 

低Ca血症の原因は①泌乳によるCaの排出、②消化管からのCa吸収の減少、③骨からのCa動員の遅れ、④活性型VitminD3とレセプターの反応の遅れ、などが挙げられる。

 

これについてはまた次回に。