子牛のへそ①

子牛のへそが腫れていることがある。

 

今日診た生まれて4か月くらいたった牛は、へそが20㎝×15㎝くらい大きく腫れていた。

 

もともと子牛はお母さんのおなかにいたときにへその緒とつながって、栄養をもらいながら育っていく。臍動脈、臍静脈、尿膜管の3つがつながっていて、これが生まれて瞬間に切れて急速に閉鎖するが、この時体内と外界が接触してしまい感染のリスクを負うのだ。予防として大事なのは生後からへそを消毒することだが、それでもなることがある。

 

へそが腫れることを臍帯炎というが臍動脈は内腸骨下動脈から膀胱炎や排膿障害を、臍静脈は肝静脈から肝膿瘍を引き起こしうる。

 

抗生剤の投与や消毒で治る場合もあるが、今回はどうか。

かなり膿瘍が大きいのでとりあえず抗生剤の反応を見ることになりマイシリンを打ったが、切って排膿させるか切除手術が必要になる可能性が高そうな気がする。触れただけでは中の状態が分からなかったが、おなかに穴が開いているヘルニアの状態になっているかもしれない。その時は腹部の筋肉を縫って閉じる必要があるが、腹腔内に感染があるかもしれない。

 

ここでうまくいかないと発育不全になりうるので、うまく治るようしたい。